天理教若狭道分教会

心が“今”にあるとき幸せは自然と感じられる

走り続ける人、止まったままの人

バリバリと働き、成長し、次々と目標を達成していく人がいます。
彼らは一見充実しているように見えますが、常に未来を見つめ、
「次、次」と心をせわしなく動かし続けているので、この瞬間に目を向けることができず、どれだけ成功しても、なぜか満たされない感覚を抱えていることはないでしょうか。

一方で、未来に希望を持てず、前に進めない人もいます。
過去の失敗や傷ついた経験が心の中で何度も再生され、
「どうせ無理」「自分なんて」と思い込んでしまう。
動けないことを責め、さらに自己否定が深まる……そんな悪循環に陥ってしまいます。

どちらの状態も、心が“今”にない。
今ここに生きているのに、今ここに気持ちがないのです。

心は、よく旅に出る

私たちの心は、過去や未来を行ったり来たりします。
「あのとき、あんなことを言わなければよかった」
「明日、ちゃんとできるかな…」
気がつけば、気持ちが"今ここにあらず"ということがよくあります。

まだ終わっていない過去の出来事に引き戻され、
まだ来ぬ未来の不安に先回りして、
本来いるはずの「今この瞬間」から離れてしまうのです。

過去を悔やむとき、心は後ろに引かれ、
未来を心配するとき、心は前へと引っ張られる。
まるで一直線に並ぶ時間軸の上で、真ん中にある「今」が揺れているような状態です。

「感じること」で今に戻る

“今ここ”に心を置く方法のひとつは「感じる」ことです。

たとえば、コップの水をひと口飲んで、
その冷たさ、喉ごし、口の中の感覚をゆっくり味わってみる。
それだけで、少しずつ心が現在に戻ってくるのを感じられることがあります。

今この瞬間に、すべてがある

未来を変えるのも、過去を受け入れるのも、
すべては「今この瞬間の選択」にかかっています。
今を味わうことができる人は、日常のどんな瞬間にも
小さな幸せを見出すことができるのです。

幸せは、どこか特別な場所にあるわけではなく、
「今ここ」に目を向けたときに、そっと顔を出してくれるものなのかもしれません。

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